大阪府北河内・南河内地区合同キャリア教育フォーラム 実施報告
~企業プログラムを学校現場で効果的に活用するために~
キャリア教育推進のために学校現場と企業との効果的な連携が求められる中、この度キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアムでは、大阪府北河内地区、南河内地区の各市町村教育委員会と連携したキャリア教育フォーラムを開催いたしました。本フォーラムは、学校現場と産業界との連携をテーマに、それぞれの地区内の各市町村教育委員会が連携し実施した初の取組みであり、学校現場及び各協力企業からも非常に高い評価をいただきました。
本フォーラムの主たる実施目的は、①学校現場におけるキャリア教育への本質的理解を促進すること ②実社会とつながるキャリア教育を推進するために、学校現場と産業界が連携する意義や必要性を理解し、具体的な連携方法を探究することです。第1部に「学校現場と企業が連携する意義とは~キャリア教育を推進するために~」と題したミニレクチャー、第2部に企業が無償で学校現場に提供する教育プログラムの体験ワークショップを取り入れた3時間半のプログラムでした。
実施概要
|
<大阪府北河内地区> |
|
| 日程 | 2011年8月4日(木)13:30 ~17:00 (開場13:00) |
| 場所 | 守口市教育文化会館5Fホール |
| 参加人数 | 北河内地区小中学校教職員 約50名 |
| 主催 | 守口市教育委員会 |
| 協力 |
門真市教育委員会 寝屋川市教育委員会 交野市教育委員会 |
| 参加協力企業 |
花王株式会社、積水ハウス株式会社、ダイキン工業株式会社、 |
|
<大阪府南河内地区> |
|
| 日程 | 2011年8月25日(木)13:30 ~17:00 (開場13:00) |
| 場所 | 羽曳野市立総合スポーツセンター(はびきのコロセアム) サブアリーナ |
| 参加人数 | 南河内地区小中学校教職員 約100名 |
| 主催 |
南河内地区市町村教育委員会 富田林市教育委員会 河内長野市教育委員会 松原市教育委員会 羽曳野市教育委員会 藤井寺市教育委員会 大阪狭山市教育委員会 太子町教育委員会 河南町教育委員会 千早赤阪村教育委員会 |
| 後援 |
南河内地区市町村教育長連絡協議会 |
| 参加協力企業 |
花王株式会社、積水ハウス株式会社、ダイキン工業株式会社、 |
フォーラム内容
| 実施内容 | 担当 |
| ●開会の挨拶・事務連絡等 | 各教育委員会 |
|
<第1部 ミニレクチャー>
「学校現場と企業が連携する意義とは |
株式会社キャリアリンク |
| ●各企業のプログラムダイジェスト紹介 | 株式会社キャリアリンク |
| 休憩 | |
|
<第2部 プログラム体験ワークショップ>
・北河内地区:30分間×2セッション
・南河内地区:20分間×4セッション
|
各企業担当者 株式会社キャリアリンク担当者 |
第1部 ミニレクチャー
「学校現場と企業が連携する意義とは~キャリア教育を推進するために~」
株式会社キャリアリンク 代表取締役 若江眞紀

■急速に変化する社会とキャリア教育との関連性について
グローバル化・IT化など社会のさまざまな変化にともない、学校や子どもたちを取り巻く環境も大きく変化している。複雑化・多様化する社会においては、変化をキャッチし、その変化に迅速に対応できる人材が求められる。一方、学校現場におけるキャリア教育の実践というと、いまだに職業体験や企業による職業講話などが中心となっているが、今後はこのように急速に変化する社会で生き抜くための力(21世紀型スキル)の育成のために、児童・生徒ひとりひとりが、学習と今の実社会とのつながりを実感できるような授業を実現していくことが求められている。そのためには「キャリア教育」として設定された総合的な学習の時間での取組みだけではなく、教科学習を含めた全教育活動の中で、児童生徒にどのような力を育成する必要があるのかを教員が常に意識することが重要である。
■グループワーク「児童・生徒に必要だと思う力は?」
これからの社会を生き抜くために必要な力(21世紀型スキル)についてグループワークを通して、社会で求められる力と学校で育成するべき力がほぼ同じであることを確認した。
学校教育でつけた力を児童・生徒が社会で活用するためには、学校現場が社会(産業界、地域、家庭)と連携して、それぞれのノウハウを活かし協力していく必要がある。特にキャリア教育は実社会で自分らしく生きていくために必要な力を身につけさせるものであり、外部の力をうまく活用することが効果的であることについて理解を深めた。

■企業の教育支援活動の現状
産業界においても、企業は利益を追求するだけはなくCSR(Corporate Social Responsibility =企業の社会的責任)という考え方が求められている。例えば、従来ものづくり企業は、安全で良質な製品を安価で提供していればよかったが、現在はそれだけではなく環境や人権への配慮などさまざまな社会的課題に対しても責任を持って取り組むことが求められている。日本の子どもたちがグローバル社会を生き抜くために必要な力を育成するため、企業も協力しなければならないと実感しているからこそ、このような教育プログラムを無償で提供する企業が存在していることを先生方にぜひ理解してもらいたい。
第2部 プログラム体験ワークショップ
会場には5つのブースを設置し、各企業関係者の協力を得て各プログラム紹介を実施した。
先生方には関心があるブースにそれぞれ立ち寄っていただき、実際の教材を使った模擬授業の体験を通して各プログラムのねらいや、授業への具体的な活用法など熱心にメモを取られていた。

紹介企業プログラム一覧
|
プログラム名/ 団体名 |
テーマ |
対象 (関連教科) |
提供の形態 |
内容 |
|
(1) パナソニック株式会社 |
モノづくり 環境 キャリア教育
|
小5 (社会科:工業生産を支える人たち)
中1~3
|
出張授業 教材提供
|
身近な家電製品をテーマに、工業製品と国民生活とのかかわりや変化を知り、モノづくりを支える様々な人々の役割、環境のために行っている工夫や努力について学ぶことを通して、自分たちが担っている役割に気づき、家電製品を使う立場として環境のためにできることを考える |
|
(2) パナソニック株式会社, 三洋電機株式会社 |
エネルギー・ 環境 |
小4~小6
(理科・社会科・ |
出張授業 教材提供
|
生活や社会に欠かせないエネルギーとのかかわり方を「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」という視点で考え、実践につなげていくための「エネルギーマネジメント」という考え方を軸に目的に合わせて4つのモジュールで学び、自分の暮らしに活かし、行動につなげるための知識を習得する |
|
(3)
<出張授業編>
他/ 花王株式会社 |
家事・環境 |
小1~小6 (生活科・総合的な学習の時間・社会科・家庭科)
|
出張授業 教材提供 工場見学 |
■お家のおしごと |
|
(4) ダイキン工業株式会社 |
環境 |
小4~小6 |
出張授業 教材提供 |
生き物と環境のかかわり、世界の森林・環境問題と日本に住む自分たちの生活のかかわりについて気づき、持続可能な社会づくりに向けて自分たちができることを考える |
|
(5) 積水ハウス株式会社 |
環境 (生物多様性) |
小4~6 (理科)
|
出張授業 教材提供 |
緑と生きもの同士の関わりを理解し、自らの自然への関わりが地球環境の保全につながることを考え、行動を促す体験思考型の環境教育プログラム |
|
(6) 株式会社ダスキン |
学校掃除 |
小学校低学年 小学校中高学年 中学校 (生活科・家庭科) |
教材提供
(出張授業は |
掃除の必要性や大切さについて考え、掃除用具の正しい使い方や掃除の手順など掃除の基礎・基本知識を身につけ、日々の学校掃除の見直しや家庭生活へ活かすための意欲をもたせる |
|
(7) 社会とつながる理科授業/社団法人日本電気工業会(JEMA) |
理科 (電気の利用) |
小6 (理科:電気の利用) |
教材提供 |
身の回りにある電気製品をはじめ、発電機など普段目にすることのない産業製品を題材に好奇心を引き出し「発電/電気の変換」「蓄電」「発熱」について考え、「電気の利用」について社会での活用方法や工夫を学ぶ |
|
(8) 株式会社ポケモン
|
パソコン基礎操作 |
小3~6 (国語科・外国語活動) |
教材提供 |
ポケモンを集めて仲間にし、バトル(対戦)修行によって成長・進化させるというストーリーで学習意欲を喚起し、マウスやキーボードの入力操作やそのために必要なアルファベットやローマ字を効果的に学ぶ |
|
(9) 社会の中で自分の役割を考え、職業観を育てるためのプログラム/ユニバーサル・スタジオ・ジャパン® |
キャリア教育 |
中1~3
|
教材提供
(パークの |
パークを支えるクルーの役割を知ることを通して、職業を「意志」「役割」「能力」の関係で考え、自分自身の生き方につなげる教育プログラム。パークでのエンターテインメント体験とオリジナル教材を使った事前事後プログラムにより、職業観を育む |
|
(10) 意思決定力を育てる!中学生と投資のかかわり/野村ホールディングス 株式会社 |
キャリア教育 金融・経済教育
|
中1~3 (公民:国民生活と経済) |
教材提供
(教員研修 |
「世の中をよくするための投資」をテーマに社会におけるお金の流れ、自分とのかかわりを理解し、社会での投資と自分の将来を結びつけて考え、自立した個人として「意思決定」する力を育む |
|
(11) ロート製薬株式会社 |
医薬品の有効利用・健康教育 |
中1~3 (保健体育:医薬品の有効活用)
|
教材提供 |
自分の生活と薬が密接に関わっていることに気づくとともに正しい薬の知識を習得し、症状に合わせて適切に薬を選択するための情報を学び、健康で快適に生活することの大切さを認識する |
参加教員の声
| ・ |
今までと違い学校だけで子どもを育てるのではなく、社会全体で世界に通用する子どもたちに育てていかなくては、これから生き抜くことができないと思いました。 |
| ・ |
子ども達が将来社会へ出て適応できるような教育・指導を心がけていかなければならないと改めて考えさせられるものでした。また、指導者としても今何が必要なのかを、情報や社会に敏感になっておくことの大切さがわかりました。 |
| ・ |
人と関わる中で自身のことを理解し、社会で生きていくためのいろいろな能力を身につけさせることが大事だと感じました。私自身も2008年にダスキンの研修を受け、掃除を通して子どもたちの能力を伸ばそうと、児童会、6年生を中心に全校で取組み、少しずつ結果をだせているように思います。 |
| ・ |
授業ですぐに使いたいと思う資料等頂きありがとうございました。企業の伝えたい目的がはっきりしていて、子ども達に伝えやすいと思いました。 |
| ・ |
企業によって違いましたが実際にどのように活用できるのかを説明していただけたところはよかったと思います。出張授業だけでなく、教材のみの活用も可能というところはありがたいと思います。 |
| ・ |
正直全部の企業まわりたかったです。どの企業さんもわかりやすく丁寧なワークショップをしていただいて、とってもよかったです。普段考えないことや視点を教えてもらえて大満足です。もっとたくさんの企業があるといいなと思いました。 |
| ・ |
情報が遅いかもしれないが、こんなにも様々な企業が学校教育への支援、社会貢献をしようとしていることをはじめて知った。実際に利用してみないとわからない点も多いが、試してみて今後の課題を検討できればなあと思った。 |










