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国際科学オリンピックとは、科学や数学の好きな生徒が活躍できる国際的な科学コンテストです。 科学技術振興機構(JST )は、2011年現在、数学・物理・化学・情報・生物学・地学・地理の科学オリン ピックを支援しています。

国際科学オリンピックでは知識の量を競い合うのではなく、知識を用いてどのように考えるかが問われます。とりわけ物理・化学・生物学では、学校での通常の授業ではあまり取り入れられない本格的な実験が課され、そこでの現象に対する柔軟な思考が求められます。国際大会の引率経験者によると、結果の成否が実験課題にかかわっているというケースが多く見受けられています。

代表生徒達の指導や引率を経験した大会関係者の間には、世界標準の理科教育という視点を活かして、国際大会で得た知見を日本の教育現場に還元したいという考えが生じました。特に、2010年国際化学オリンピックが日本で開催され、多くの大学化学教員が国際大会に関わりを得たことが1つのきっかけとなり、2011年4月、化学(理科)教育を世界標準を見据えたものへと進化させることを目指した「日本の化学の未来を考える会」(以下「考える会」)が発足しました。「考える会」の組織委員長には、2001年ノーベル化学賞受賞者であり、化学オリンピック日本委員会の委員長を務めた野依良治教授が就任されました。

「考える会」は活動の1つとして高校理科教員向け研修を挙げています。この活動を科学オリンピックの普及に役立ててもらいたいというJST の提案を受け、世界的な視野とリーダーシップを備えた人材の育成を目指す大阪府教育委員会と相談。「グローバルリーダーズハイスクール」や「スーパーサイエンスハイスクール」等にかかわられる先生方を対象に「国際化学オリンピックの実験課題の授業への利用をモチーフとする教員研修」を計画いたしました。世界をリードできる科学的思考力、さらにそれを進めた展開力の育成への一歩を目指した研修です。
研修では、2010年日本大会の実験問題をアレンジし、研修の課題とします。先生方は実験授業の時系列に沿った机上でのケーススタディと実際の実験を行う予定です。

手順に従えば正確な結果が誰でも出せるという「現実」の中で、この問題が何故国際大会の課題として出されたのかを先生方としっかり受け止め、共有し、日本の教育の一隅を照らしたいと考えます。この研修を、予想の追いつかない変化を見せる地球社会の中で、ものごとの本質を理解し、自分の判断で対応できる能力を育てる教育を目指す実践の一つの試みとして提起し、一緒に掘り下げていきたいと考えています。
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