フォーラムレポート

教育CSRフォーラム2015報告書

2015年3月19日 11:33

教育CSRフォーラム2015
~これからの時代を創る人材を育成する、教育イノベーションの実現にむけて~

2015年3月6日(金)、教育CSRフォーラム2015を開催いたしました。株式会社リクルートホールディングス様のご協力により、利便性の良い新橋の会場をご提供いただき、年度末にも関わらず、企業・団体、教育関係者など多様な方々にご参加いただきました。
変わりゆく時代を自ら切り拓く人材を育成する国のビジョン、自治体の実践、そして独自性を活かした企業・団体の教育支援(教育CSR)活動の報告に参加者は熱心に耳を傾けられ、「大変刺激になった」「今の企業がすべきことが認識できた」などのお声をいただきました。

実施概要

開催日時 2015年3月6日(金) 13:30~17:00(13:00開場)
開催場所 株式会社リクルートホールディングス
リクルートGINZA8ビル

〒104-8001
東京都中央区銀座8-4-17 リクルート銀座8丁目ビル
http://www.recruit.jp/company/about/office.html

対 象 次世代育成支援に取り組む企業・ 団体関係
教育関係者
参加者数 100名

プログラム内容

13:30-13:45 ■開会挨拶
キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム
13:45-14:20 ■【第1部】 基調講演
「探究型の学び」が育てるこれからの社会を生き抜く人材
松木 秀彰 氏(文部科学省 大臣官房国際課 国際協力企画室長)
14:30-16:00 ■【第2部】 事例発表
<事例1>
ダイキン工業株式会社
サークル・オブ・ライフ
~世界の環境問題と自分たちの生活との『かかわり』に気づき、考える~

西邑 麻衣 氏(CSR・地球環境センター)

<事例2>
インテル株式会社
インテルR教育支援
~21世紀型スキルを育成するIntelRTeach教員研修プログラム~

竹元 賢治 氏(教育事業開発部長)
■【第2部】 事例発表

<新しい学びへのメッセージ>
荒川区教育委員会
これからの社会をたくましく生き抜く人材の育成をめざして

駒﨑 彰一 氏(荒川区教育委員会事務局 指導室 統括指導主事)
16:10-16:40 ■【第3部】 スペシャルメッセージ
「その学びは、未来を変える。
~ひとりひとりの主体的な学びを支える、オンライン教育サービス~」

山口 文洋 氏(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員)
16:40-17:00 コンソーシアム活動報告、総括

■【第一部】基調講演

「探求型の学び」が育てるこれからの社会を生き抜く人材
松木秀彰氏(文部科学省 大臣官房国際課 国際協力企画室長)

日本の子どもたちの未来像をふまえ、早急に求められる教育改革について、具体的な3つの取組を例にご講演いただきました。
先を見通せない時代だからこそ、子どもたちには自ら学び、考え、判断・行動する力、学び続ける力が求められていることを再確認し、1.学力観の転換、2.真の学ぶ力の育成、3.意識改革・制度改革が必要であるというお話に、参加者は大きく頷いていました。具体的な取組として、「ESDの10年の取組の総括と今後」「国際バカロレアの推進」「高大接続をベースにした入試改革」についてご紹介いただくとともに、これまでの知識量を重視する教育から、課題を探究して「真の課題を解決できる力」の育成を見据えた、成熟社会にふさわしい真の学ぶ力を育成・評価していく方向性をお示しいただきました。

松木秀彰氏

【これからの教育改革の方向性】
先を見通すことが難しい時代において、生涯を通じて不断に学び、考え、予想外の事態を乗り越えながら、自分の人生を切り拓き、よりよい社会づくりに貢献していくことができる人間を育てることが必要である。 そのためには今までの学力観を転換し、成熟社会にふさわしい「真の学ぶ力」を育成・評価できるよう、根本的な意識改革・制度改革を早急に図ることが必要である。

【真の学ぶ力の育成を進めた文部科学省の取組:ESD(持続可能な開発のための教育)について】
ESDの10年の取組の総括として、ESDに関するユネスコ世界会議が開催され、一定の成果が得られたこと、今後は特に「課題を探究してそれを解決していく能力を育成していくこと」が重要であることが示された。
また今後、政策的支援、機関包括型アプローチ、教育者、ユース、ローカルコミュニティといった、あらゆるステークホルダーがどのようにESDに取り組んでいくべきかを示した、ESD推進の方針「グローバル・アクション・プログラム」が提案された。
今後もESDを広め、深めていくために、文部科学省としては、1.学校教育の中でのESDの取組を充実させていくこと 2.企業やNGOとの連携を強めていくことが大切だと考えている。

【真の学ぶ力の育成を進めた文部科学省の取組:国際バカロレア】
世界140以上の国・地域で導入されている国際バカロレアは、国際的に通用する大学入学資格(IB資格)が取得可能な教育プログラムであり、生徒が主体的に学ぶ(課題発見・設定・課題解決)学習を中心としており、語学力のみだけでなく、スキルの育成が非常に有効であり、グローバル人材の育成にとって有効な一つの手段であると考えている。また、国際バカロレアの導入は、初等中等教育の質の向上、大学の国際化・活性化、国際的通用性の向上などの効果も期待されている。
日本においては、すでに大学入試等においてIBのスコアを活用している大学があるが、さらに国際バカロレアの認定校(IB認定校)を2018年までに200校に拡大し、国際バカロレアの活用を広めていく予定である。そのために、今後は日本語プログラムの開発や教員の養成・確保に力をいれて取り組んでいく。

【真の学ぶ力の育成を進めた文部科学省の取組:入試改革(高大接続)】
現状の大学入試は知識量に重点をおいていたため、高校教育も入試に合わせ、知識伝達型になってしまっている。
真の学ぶ力を育成していくためには、1.真の学ぶ力を育成する高校教育2.培った力をさらに向上・発展させる大学教育 を同時に推進する、高校・大学制度の一体となった改革が必要である。
高等教育においては、学習指導要領を抜本的に見直し、「育成すべき資質・能力を育む観点からの学習評価の充実」をはかり、育成すべき資質や能力をふまえた教科・科目等の新設や目標・内容の見直し、主体的に授業に参加する学習形態(アクティブ・ラーニング)の充実が必須であり、そのためには初等・中等教育の改革とも連携を図る必要がある。
大学入試においては、「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価するために、記述式を導入するなど、多面的・総合的な評価による丁寧な入試への改革をめざしている。

3つの取組ともに、これまでの知識量重視の教育から、課題を探究して「真の課題を解決できる力」の育成を見据えた、大変重要な取組と考え、長期的な視点で推進している。

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 国としての最新の取組の方向性が理解できました。
  • 今後どのように実践につなげるのか、推進するのか、そのためにあらゆるステークホルダーとどのように連携するのか(企業側はどのように連携できるのか)、最新の動向について情報提供いただき、参考になりました。
  • 学習は人格形成のために行うことを理解し、国際バカロレア他、新たな取組によりひとつでも課題が解決されることを期待したいです。
  • 成熟社会にふさわしい早急な改革の必要性を感じました。

【第二部】事例発表

1)ダイキン工業株式会社 
サークル・オブ・ライフ~世界の環境問題と自分たちの生活との『かかわり』に気づき、考える~
西邑麻衣氏(CSR・地球環境センター)

「生き物と環境のかかわり」「世界の環境問題と日本に住む私たちの生活のかかわり」をテーマにした、小学校高学年対象の環境教育プログラムについて、実際の教材、プログラムを受講された先生や児童の感想を交えながら、丁寧にご紹介いただきました。
環境問題を知識として理解するだけではなく、自分ごととしてとらえ実際の行動につなげることにこだわり、インドネシアの実例や「ロールプレイ」という手法を活用したことで、立場による主張の違いを児童が自ら考えることにつながったというお話は、企業としてどのようなコンテンツが求められているかという課題意識に対する一つの解をお示しいただく内容で、参加者は興味深く聞き入っていました。

インドネシアの森林再生に向けた取組を題材に、生き物と環境のかかわり、世界の環境問題と日本に住む私たちの生活とのかかわりについて学ぶ、小学校5、6年生向けの環境教育プログラム。先生に実施いただく授業と社員による出張授業の2部構成になっている。
企業が開発する環境教育プログラムにおけるポイントを「企業による生きたコンテンツの提供と、実社会とのつながりを意識させ、子どもたちの具体的な行動につなげること」と考え、先生に実施いただく授業では、生き物と環境のかかわり、環境問題をめぐる異なる立場を理解し、自分たちの日々の取組が環境問題の解決につながるという気づきから具体的な行動につなげます。また、社員による出張授業ではモノづくりの企業が環境のために行っている取組、工夫や努力を伝えることで、小さなことでも積み重ねると大きな効果となることを知り、「自分たちにできること」を考えるヒントとなるようなプログラム構成にしている。

ダイキン工業株式会社

また、従来の環境プログラムでは調べ・まとめの学習が中心で知識の獲得にとどまってしまっているという現状を受け、子どもたちが主体的に課題を理解し、多面的な視点から解決方法を考える学習をめざしたことが、学校現場での評価につながっていると考えている。

社員講師の確保は社内公募で行っており、講師間の感想やノウハウ交換など、情報共有ができる機会を設けることにより、講師の横のつながりが広がり、日々の仕事に対するモチベーションアップにも寄与していると実感している。

教育プログラム提供でダイキンが大切と考えていることは大きく3つ。
まずは学校への貢献。企業が一方的に提供するのではなく、企業が持っている資源を活かして、学校現場にとって本当に役に立つプログラム・教材を提供すること。2つ目に子どもの成長。子どもたちが広い視野で考え行動するきっかけになるものを提供すること。3つ目に、社内の人材育成。講師の「次」の行動につながるものを提供することで、仕事につながれば企業の成長に貢献し、ボランティア等につなげれば社会に貢献することができると考えている。

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 「環境」というテーマで世界の環境問題に目を向けさせて自分事として考えさせる素晴らしいプログラムだと思いました。また、企業起点ではなく、学校へ本当に役立つ教材を提供しようとされている姿勢に共感を覚えました。
  • 出張授業の従業員講師を社内公募され多くの方が登録されているのが会社として素晴らしいです。学校、地域、子どもたちのためになるのはもちろんですが、実は担当した社員のモチベーション向上にとても有効だと思います。自分たちの仕事を自分の言葉で子どもに語ること、大切だと感じました。
  • すばらしい取組だと感じました。特に「学校」「子ども」への貢献は、自社の人材育成となるという視点で進められているところが、すばらしいと考えました。

2)インテル株式会社
インテル®教育支援~21世紀型スキルを育成するIntel® Teach教員研修プログラム~
竹元賢治氏(教育事業開発部長)

グローバルスタンダードである21世紀型スキル(子どもたちが、自ら学び、課題を発見・解決していく力)の育成のために、アクティブ・ラーニングの手法を活用し、探究型の学びの授業設計を支援する、教員研修プログラムとその展開についてご紹介いただきました。学習指導要領の改訂やアクティブ・ラーニングの導入等を含めた授業の変革が求められていくなかで、企業で実際にスキルを活用し、働く立場として、学校・教員、さらには「探究型の学びの授業づくり」を支援するために、どのようなコンテンツや研修が提供できるのか、ディスカッションや共有を中心とした研修の特徴や研修を実際の授業実施につなげる取組を例に挙げてご紹介いただきました。企業が学校教育にかかわり続けていく意味や方向性を垣間見ることができ、教育支援に携わる企業を後押しするご講演となりました。

21世紀型スキルの育成の必要性は、企業が採用の際にコミュニケーション能力や主体性、問題解決能力といった力を重視していることからも明白であり、まさに子どもたちが社会に出たときに求められているスキルである。そのためには、社会に出てからではなく、教育現場において段階的に育成していくことが重要であり、ますます先生方の役割の重要度が増してきている。企業における日々の仕事は、常に主体性、問題発見・解決、協働、創造性などをともなうものであり、このスキル育成のノウハウをプログラムとして提供することに意義を感じている。

インテル株式会社

子どもたちが自ら学び、課題を発見・解決していく力を育成するためには、アクティブ・ラーニングの手法を活用し、能力・スキル育成を念頭においた探究型の学びの授業設計が必要であるという考えのもと、教員研修プログラム「intel ®Teachプログラム」を開発している。このプログラムでは、授業デザイン、学習環境(ICT)のデザイン、学習指導手法、コミュニケーション手法、評価手法・指標の構築手法等をオンラインコンテンツおよび、受講者が互いに共有やディスカッションから学びを深めていくなど、研修自体も知識提供型ではなく、アクティブ・ラーニングの手法を用いた活動を通して実際に学び、体感していただく構成にしている。
プログラムを受講した先生方が、自治体での教員研修や校内での伝達研修といった形で、先生の言葉で広げ、深めていただくことをめざし、今後もこの研修プログラムの普及に取り組んでいく考えである。

またICT環境の整備やICTを活用できる人材の育成が自社の発展にもつながると考え支援を続けている。ICT機器を盛んに学校に導入してきた時代から、いかにICT(デジタル)とアナログを使いわけるかという時代にシフトしてきている。協働的な学び、学びの広がり・深まり、スキル育成を支援するツールとして、ICTの特性を活かしどう活用するのか、様々な先生方や自治体とともに考え、あるべき姿を追求していきたいと考えている。

今後の学習指導要領の改訂やアクティブ・ラーニングの導入等を含めた授業の変革が求められていくなかで、企業で実際にスキルを活用して働いている立場として、学校・教員、さらには「探究型の学びの授業づくり」において、どのようなコンテンツが提供できるのか、どのような支援ができるのかを考え続けていきたい。

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 教育のしくみを変えていくエネルギーをいただきました。
  • グローバル人材、イノベーション人材の要件、および21世紀型スキルを育成するには、何をテーマに学習したらいいのか整理できました。
  • 21世紀型スキルに関しては企業の方が詳しいはず、というお話にとても納得感がありました。
     これからを生き抜く人材の育成を学校任せにするのではなく、地域と企業が連携する大切さを感じました。ICTに関して思うのは、学びの手段としての進化としては良いのですが、そもそもなぜ学ぶのかという学びの目的を置き去りにしたくないと感じます。

3)荒川区教育委員会
これからの社会をたくましく生き抜く人材の教育をめざして
駒﨑彰一氏(荒川区教育委員会事務局 指導室 統括指導主事)

学校教育を変える!「グローバル人材の育成」アナログとデジタルの融合による荒川区の挑戦というテーマで、子どもたちに社会をたくましく生き抜く力をつけさせるためのタブレットPCを含めた環境整備、授業、教員研修について、動画を交えながらご紹介いただきました。
ICT導入の目標を明確にし、すべての学校でのタブレットPC導入研修、すべての教員に対する授業設計の研修など、様々な研修を段階的に実施したことで、ICTの活用ありきではなく、教師の授業力の向上、教師間の交流の活性化、児童・生徒の学習意欲の向上につながったというお話に、参加者は目を輝かせて聞き入っていました。
また、学校図書館とタブレットPCの活用を両輪とするメディアを活用した学習に取り組んだことで、児童・生徒自身がメディアを使い分け、本当の意味で、ツールとしてタブレットPCを活用した探究型学習の実施につながったという実例報告は、これからのスキル育成、アクティブ・ラーニングを中心とした学びに対する先駆的な成功例として、多くの自治体・教員にとって、そして企業にとっても学びの多いご講演となりました。

荒川区は、学校図書館(読み物、学習情報センター)の充実や、教育の情報化に注力しており、教育の情報化事業では、すべての普通教室への電子黒板の導入から始まり、デジタル教科書のネットワーク配信、タブレットPCの整備といった段階的なICT導入の取組を行ってきた。
この事業において重視したのは、1.目標の明確化 2.研修の充実である。
短期的な目標を「わかりやすい授業の実践」「効果的な普段使い」「子どもたちが学習のツールとして活用できるようにする」、長期的な目標を「グローバル社会を生き抜くための21世紀型スキルの育成」とし、この目標を達成するために具体的かつ段階的な研修を実施した。ICT支援員による操作スキルの支援⇒学校内での研修⇒授業での効果的な活用(自作教材・学校間共有)⇒21世紀型スキルの育成と研修を積み重ねることによって、単なる操作スキルだけではなく「こんな授業ができる」「こんな授業がつくりたい」という本来のねらいの達成につながった。また、ベテランの授業力と若手の操作スキルの効果的な融合も生まれ、様々な授業実践につながっている。

荒川区教育委員会

このような取組を通じて子どもたちの学びに大きく2つの変化が起きている。1つ目はアナログ(学校図書館)とデジタル(タブレットPC)の両方を活用した学習を行うことで、児童・生徒自身がメディアのメリット・デメリットが自身で気づき、使い分け、本当の意味でのツールとしてタブレットPCを使い始めていること。2つ目はグループなどでの協働的な学びが、調べ・まとめ・発表といった形式から、課題解決のために様々なメディアから情報を収集・知識を再構成・提案・評価・再提案・創造といった思考の深まりが起き、まさにアクティブ・ラーニングにつながる学びに変化してきていることである。この2つの大きな変化は、教師はもちろん子どもたち自身も実感していることがさまざまな事例報告からもうかがえる。

また、支援員や研修、授業実践に至るまで、産官学連携を積極的に行ったことで、それぞれが持つ強みとノウハウを活かすことができ、今後取組を広げていく上で非常に重要な要素であると実感した。
今後は長期的な目標の達成のために、取組を継続していくだけでなく、荒川区から研修やワークショップの形式を通して、他の自治体に情報を公開していく予定である。

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • とても参考になりました。教育委員会と学校現場の協力があって子どもの教育・人材育成にも寄与できると考えます。
  • 21世紀型スキルを実際どう教育現場で展開しているのか?ステップと熱意が伝わってきました。
  • タブレットPCの導入の目的を短期的・長期的視野で明確に伝えておられ、力を感じました。
     課題解決への提案も非常に明確で説得力がありました。テクノロジーに全面依存するのではなく、従来の学習方法のメリットも組み合わせているのが効果的だと思いました。荒川区の取り組みに非常に興味をもちました。
  • 荒川区の学校教育に対する熱意を感じたとともに、ICTの上手な活用により産官学の連携が図られていることに興味をもちました。今後の教育支援活動を考えるうえで、参考になりました。

【第三部】スペシャルメッセージ

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
その学びは、未来を変える。~ひとりひとりの主体的な学びを支える、オンライン教育サービス~
山口文洋氏(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員)

ICTを活用して教育格差をなくすという理念のもとに、教育界に求められている変革を実践するツール・インフラ整備を中心としたCSVの取組について、実際のアプリ等を用いてお話いただきました。
いかに効率的に正解を導き出すかという社会から、成熟社会という答えがない世界で複雑な課題を解決していくために、1.基礎教育、2.21世紀型スキル、3.教養、さらにそれを行動に移すためのアクティブ・ラーニングの手法が必要であるとの考えに基づいて構成されたコンテンツには、教科の基礎的な学習内容はもちろん、探究型の学びのテーマや専門家による講義、オンラインを活用した協働の機会も多数含まれ、参加者の高い関心が寄せられました。
オンラインコンテンツの広がりやインパクト(企業の教育CSRの新しいスタイル)、可能性が感じられる事例報告に、新たな教育コンテンツのあり方への期待が高まります。

ICTの力を活かして所得や地域から生まれる教育環境の格差をなくすこと、基礎教育の底上げをめざし、CSVの考え方に基づいた事業展開で、「受験サプリ」「勉強サプリ」といったツール(インフラ)を提供することを事業の柱にしている。
具体的には、基礎知識の習得を目的とした専門講師の講義の動画や赤本の問題などを、パソコンやスマートフォンで利用できる形で、無料のコンテンツ(一部有料)で提供している。
個人での活用はもちろん、学習の履歴やレベルの合った問題の提示などICTならではのカスタマイズができるカリキュラムの利点が評価され、個人の理解度に合わせた学習ができるコンテンツとして、多くの学校の授業や放課後の学習活動に採用されて始めており、基礎知識の習得においてICTやオンラインコンテンツがもたらす成果を実感している。

【第三部】スペシャルメッセージ

また、効率的に正解を導き出すという社会から、成熟社会として答えがない世界で複雑な課題を解決しながら、専門領域の知識を再構成し、提案・行動していくことが求められる社会において、企業の果たすべき役割の重要性を感じ、アクティブ・ラーニングのためのコンテンツの開発にも取り組んでいる。
21世紀型スキルの育成をめざし、世界・日本の権威ある講師陣から学べるコンテンツ、動画やワークシートなどを利用して協働学習の機会を提供するコンテンツに力を入れている。

今後は、子どもたちが基礎教育・教養教育、21世紀型スキルの育成、実際の体験、この3つの効果的なスタディライフバランスを保てるような教育をめざし、インフラ整備、コンテンツ開発、さらなる事業の進化に向けて取り組んでいきたいと考えている。

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 企業が考えている社会貢献(商品、サービス)を、”興味喚起”というカタチで子どもたちに伝えていきたいと思います。
  • 受験サプリの目的が「格差の解消と基礎学力の向上」にあり、真の目的はその先の世の中を生きていく力の育成にあるということに共感が持てました。
  • CSRをこえて、CSV、ビジネスとして成功している事例を知ることができよかったです。
  • 学力、教育の格差の差を解消する、挑戦的な取り組みだと感じました。
    さらにグローバル化され、海外の授業も受けられるようになっていく日も近いと思いました。

事例発表共通 アンケート結果

グラフ

コンソーシアム活動報告、総括

教育分野で社会貢献活動を行っている企業・団体100社のご協力をいただき、教育CSRで具体的に実施されている内容やテーマ、課題を調査した結果を報告いたしました。

教育現場における学習意欲や学習の有用感に関する課題を受けて、職場体験の受け入れも含めたキャリア教育へのニーズが高まっていますが、職業講話や体験活動にとどまらず、キャリア教育の本来の目的にそくした、これからの社会に求められるスキルの育成を重視した、企業ならではのテーマを題材にしたカリキュラムが重視されています。

また、教育支援活動の成果に対する評価も含め、CSRからその活動の価値をさらに高めるCSVへの転換を図るために、部署間の連携や全社的な取組をどのように進めていくか、今後の課題として共有させていただきました。

コンソーシアム活動報告、総括

アンケート全体集計結果

グラフ

◆参加者からの声(アンケートより抜粋)

  • 今後も「次」を考えるための気づきを与えていただける内容を期待します。
  • 刺激になりました。ありがとうございました。また様々な情報提供をお願いいたします。
  • CSR→CSVへの転換、すばらしいビジョンだと感じました。ありがとうございました。充実した半日でした。
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