フォーラムレポート

コンソーシアム設立10周年記念教育CSRフォーラム実施報告

2015年8月 3日 15:33

キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム設立10周年記念
教育CSRフォーラム&パートナーギャザリング

~これから10年で何が変えられるか?産学官の交流による創造的な教育支援のあり方を考える~

 2015年6月22日(月)、コンソーシアム設立10周年を記念したフォーラム&パートナーギャザリングを開催いたしました。株主総会など多忙な時期にもかかわらず、企業・団体、教育関係者など多様な方々にご参加いただきました。

 これからの世界を生きる子どもたちのために、教育はどう変わるべきか、そのために産学官はどう連携すべきかをテーマに、

●第1部では、
独自の人材採用・育成手法で教育現場の活性化をめざす活動や、新たなスタイルのグローバル教育支援活動の事例より、教育支援の多様なあり方について、また国の教育改革ビジョンについて理解を深めました。

●第2部では、
民間人校長とインターナショナルスクール代表をゲストに迎え、日本の教育の課題やこれからの探究的な学びのあり方について考えました。

参加者からは、「教育における課題を再認識できた」「自社のCSR活動に関して深く考える良いきっかけとなった」「日本の教育の方向性が実感できた」など、多数感想をいだきました。

フォーラム概要

日 時 2015年6月22日(月) 13:30~19:00
場 所 一橋大学一橋講堂
対 象 次世代育成支援に取り組む企業・団体関係者、教育関係者(第1部)
コンソーシアムメンバー企業、パートナー企業・団体(第2部、第3部)

プログラム内容

13:30 ■開会挨拶
キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム
13:50 ■【第1部】 特別企画①

次世代の日本社会を担う若者を教師として選抜・育成・サポートする
「Next Teacher Program」

松田 悠介 氏(認定NPO法人Teach For Japan 創設者/代表理事)

14:15 ■【第1部】 特別企画②

NPO×企業アライアンスによるグローバル教育支援「グローバル・チャレンジ・プロジェクト」

谷川 洋 氏(認定NPO法人 AEFAアジア教育友好協会 理事長)

宍戸 仙助 氏(認定NPO法人 AEFAアジア教育友好協会 参与)

14:40

■【第1部】 特別講演

「真の学ぶ力」を育成する教育改革

 伯井 美徳 氏

(文部科学省 大臣官房審議官 初等中等教育局・高大接続担当 併任 内閣府・子ども・ 子育て本部審議官)

15:15 ■【第1部 総括~閉会挨拶
15:30

■【第2部】特別鼎談 「教育の未来を拓く~多様な学びの創造」

坪谷 ニュウエル 郁子 氏(東京インターナショナルスクール 代表)

平川 理恵 氏(横浜市立中川西中学校 校長)

ファシリテーター:若江 眞紀(キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム 代表)

17:10 ■【第2部】 総括~閉会挨拶
17:30 ■【第3部】 レセプション

■【開会挨拶】

若江 眞紀 (キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム 代表)

2006年に3つのプログラムからスタートしたキャリア教育プログラム開発推進コンソーシアムの10年をふりかえり、今、企業の教育支援活動は、教育CSR からCSV(Creating Shared Value=社会課題の解決と新しい価値の創造を同時実現する)への発展が不可欠であること、また学校現場では、子どもの資質・能力の育成を軸としたカリ キュラムが求められており、地域コミュニティが支える学校のあり方(「チーム学校」)が検討されていることなど、昨今の教育の動向について共有いたしまし た。

松木秀彰氏

【第1部】特別企画①

次世代の日本社会を担う若者を教師として選抜・育成・サポートする「Next Teacher Program」

松田 悠介 氏(認定NPO法人Teach For Japan創設者/代表理事)

教育への情熱を持った多様な人材を教師として学校現場へ派遣するNPO団体、Teach For Japan(以下、TFJ)を創設された松田氏より、初等・中等教育におけるTFJの活動と多様な人材が教育現場にもたらすインパクトについて、お話しいただきました。
自身の学生時代の体験から、憧れをもって教員になったからこそ感じた日本の教育現場の課題。教員が熱い思いを持続し、それを子どもたちに還元できる教育環境のあり方を模索するなかで、渡米されて出会ったのが、Teach For America(優秀な大学生をリクルートし、期間限定で教員を務める)。その活動に共感し、帰国後にTFJを設立されました。

松木秀彰氏

日米両国における教育格差の現実に言及し、その解消に必要なのは、教育にかかわる人づくり、つまり、教員養成であるとして、TFJでは、今までの教育現場では獲得しえなかった多様な経験を持つ志高い人材を独自の手法で採用し、特別免許制や臨時免許制を利用して教育現場に送り込むという新しい形の教育支援を実現しています。協調性を持ちながらもリーダーシップを発揮し、課題解決力を持った人材が教員となることで、教育現場に与えるインパクトは大きく、これからの社会を生きる子どもたちに必要な力の体現が可能となるーつまり教員が変われば教室(子ども)も変わるとの言葉に、参加者は大きく共感し、これからの発展に期待が寄せられました。

【第1部】特別企画②

NPO×企業アライアンスによるグローバル教育支援「グローバル・チャレンジ・プロジェクト」

谷川 洋 氏(認定NPO法人 AEFAアジア教育友好協会 理事長)
宍戸 仙助 氏(認定NPO法人 AEFAアジア教育友好協会 参与)

国内外(主にインドシナ半島)で、アジアの未来を担う子どもたちのための学校建設事業や、日本の子どもたちを対象に国際交流活動を行うNPO団体、 AEFAアジア教育友好協会より、NPOと協力企業のアライアンスにより、国内の小中学生を対象に出張授業を実施する「グローバル・チャレンジ・プロジェ クト」をご紹介いただきました。
AEFAが地域住民と一体になって学校建設、学校運営を行うベトナム・ラオス・タイの山間部には、現代の日本が忘れてしまった4~50年前の「学びたい」 という子どもたちの姿があります。現地で得られた経験や子どもたちの日常を、「生きた教材」として日本国内の小中学生に伝えることで、教科書だけでは得ら れない気づきや豊かな生活への感謝、他者への思いやりの心が育まれること、さらには保護者の気づきにもつながることを、紹介いただきました。現地を熟知す るAEFAの講師ならではのリアリティあるお話に、参加者は惹きこまれていました
国際理解教育のニーズの高まり、そして増え続ける出張授業の実施要請に応え、少しでも多くの小中学校へ講師を派遣し、子どもたち、そして先生方に、学ぶことの価値を伝えたいという熱意が伝えられました。

松木秀彰氏

【第1部】特別講演

「真の学ぶ力」を育成する教育改革

伯井 美徳 氏(文部科学省 大臣官房審議官 初等中等教育局・高大接続担当 併任 内閣府子ども・子育て本部審議官)

松木秀彰氏

急速な社会の変化の中で求められる「真の学ぶ力」を育成するために、
今、国家レベルで進められている高大接続改革、そしてキャリア教育が
子どもたちの主体的な学びに対して果たす役割について、ご講演いただきました。
教育現場の喫緊の課題である、高校生の学びへの意欲の低さを取り上げ、課題解決に向けた高等学校教育の質の向上を図る教育改革についてビジョンを共有いた だきました。厳しい時代を乗り越え、新たな価値を創造するための「学ぶ力」を育てる改革の柱は高大接続改革にあるとし、その具体案として、学習指導要領の 改訂、高等学校基礎学力テストの導入(高等学校で学ぶべき内容が理解できているかを確認するもの)、大学入学希望者学力評価テスト(大学入試センター試験 の代替となるもの)の創設、アドミッションポリシーに基づく多面的な大学入学者個別選抜といった内容が示されました。

また、選挙権年齢の引き下げにより、 早急な対応を求められる主権者意識の教育は、答えのない事象について考え、議論し、納得解を導くという、これからの学校教育において必要な子どもたちの資 質・能力育成(=学ぶ力の育成)の好教材と位置づけられること、また、このような教材を開発するには、アクティブ・ラーニングなどの主体的・協働的な手法 の活用が求められることにも言及されました。
最後に、小中学校段階から系統立てて進められるキャリア教育の重要性が示されながらも、現状の高等学校普通科では、生徒がキャリア教育に触れる機会が少な く、産業界の支援を得ながらキャリア教育の実践を進めることが「真の学ぶ力」を育成するための重要な鍵となる、とのお言葉は、教育支援に携わる企業・団体 等参加者への今後の活動に対する心強い後押しとなりました。

【第2部】特別鼎談

「教育の未来を拓く~多様な学びの創造」

坪谷ニュウエル 郁子 氏(東京インターナショナルスクール 代表)
平川 理恵 氏(横浜市立中川西中学校 校長)
若江 眞紀 (キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム 代表)

松木秀彰氏

特別鼎談では、教育組織のトップとして日々教育現場の課題と向き合いながら、子どもたちの未来のために手腕を振るわれているゲストお二人をお迎えし、現在進行形の教育改革について語っていただきました。
数少ない民間出身の女性中学校校長:平川先生からは、日々奮闘する自らの毎日を、薄氷の上で山をめざすイメージに例えながら、教育理念を生徒のみならず 教員にも具現化させるよう働きかけ、公立中学校という場で、多様な学びを実現する環境・機会を生み出すご苦労をお話しいただきました。

坪谷氏からは、ご自 身のお子様の成長に合わせて、現:東京インターナショナルスクールを設立された経緯をご紹介いただきながら、ご自身が魅了され導入するに至った「国際バカ ロレア=IB」の成り立ちやそのカリキュラムの要点を、わかりやすい言葉でご説明いただきました。IBがめざす探究的な学びは、「あなたは何者なの?」と いう哲学的な問いを根源に、一つのテーマを様々な角度から考えることが基本であるとの解説をふまえ、平川先生から、IBがそのまま導入できない場合も、企 業プログラムなどを活用し「社会とつながる」授業を教科横断型で積み重ねることにより、「探究型の学び」を公立校で実現することが可能である、との考えを 示していただきました。さらに、参加者からの質疑応答や感想を交えながら、これからのIB導入にあたっての教員の育成の課題や、企業からの教育支援活動の あり方について理解を深めました。参加者からは「現場を変えていく難しさと、何か変わりそうな期待感を感じることができた」、「将来的な教育の方向性を考えることができた」といった前向きな感想をいただきました。

総括

コンソーシアム10周年をきっかけとして、これから先の10年を見据えた教育支援活動にどう取り組むべきか、これまで真摯にご支援、ご協力くださった企 業・団体、教育関係者の皆さまとともに考える機会になれば、との思いで当フォーラムを開催いたしました。国の教育改革ビジョンを、さまざまな立場から教育 現場に携わる登壇者の生の声に結びつけながら、日本の未来、教育の未来、産学官連携の必要性について改めて多角的に考えるきっかけとなりました。参加者の 皆様には、本日の講演内容や登壇者の方々との出会いが、今後の教育支援活動のさらなるお役に立つことを期待するとともに、産学官が知見とリソースを持ち 寄って教育支援を創造的に進めるために、当コンソーシアムも、新たなステージでさらにチャレンジを続ける決意とみなさまへの感謝をここにお伝えいたします。

 

 

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